大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(あ)3439 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意について。

所論は事実誤認の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。なお所論は、

所論摘示の各証人の供述中、原判決が一部を措信し、一部を排斥したのは違法であ

ると主張するから、この点について調べてみるに、原判決は、一審証人Aの供述記

載及びB(司法書士)の検察官に対する供述調書の各一部、すなわち被告人が、先

に作成した本件家屋の売渡証書中のCがDから買い受けた旨の部分を情を知らない

Bをして買主C名義をAと訂正せしめ、DA間の売渡証書としたとの部分を措信し、

その際被告人がDの印章を右B方に持参したという部分を排斥したのであつて、こ

のように可分な供述の一部を措信し一部を排斥することは健全な自由心証の範囲で

あつて、なんら経験則に反するものではない。所論は理由がない。

弁護人中村武の上告趣意について。

所論は、事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない(原判決

の認定する事実によれば詐欺の点について誣告罪の成立することを免れない。所論

は原審の事実認定と異なる事実に立つ主張にすぎない)。また記録を調べても同四

一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和三二年五月二一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

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